CAT NOTES / VOL.15
今回は、会津の猫駅長、仲間の名前を覚える猫、持ってこい遊びなどをピックアップ。人の予定と猫の都合が、少しずれるところも楽しみます。古い研究や作品も交えて選んでおり、すべてが最新情報ではありません。
情報確認:2026年10月28日。施設・作品・商品の最新案内は、各リンク先でご確認ください。
日本の猫の話

日本 / 食卓の小さな形
箸を置く場所に、猫の手を借りる。
アデリアの「coconeco 箸置き」は、肉球をモチーフにした小さなガラス食器。ミケ、チャトラ、ブチ、サバトラと、猫の毛色を食卓へ連れてきます。全部の顔がなくても、猫だと伝わる道具です。
背景とDEFRAGの視点
BACKGROUND
石塚硝子の発表では、毛並みの輪郭をぼかし、肉球を柔らかなシルエットで表したと説明しています。2026年1月発売のシリーズを、今回はデザインの見方としてピックアップ。
OUR PERSPECTIVE
猫の全身を描かなくても、足先だけで話が始まる。どこまで省いても猫に見えるのか、という小さな実験のようです。食事の途中で目が合うのではなく、手を借りる距離感もいい。
出典:石塚硝子/アデリア
発表:2026.01.08 / 商品紹介
元のページを読む ↗

福島 / 駅で過ごす猫
駅長さん、今日はどちらに。
芦ノ牧温泉駅の公式サイトには、三代目名誉駅長さくらをはじめ、猫たちのプロフィールが並びます。列車の時刻を調べていたはずが、好きな食べ物まで読んでしまう。駅の案内が、急に身近な顔になります。
背景とDEFRAGの視点
BACKGROUND
会津鉄道の芦ノ牧温泉駅を守る会が発信する紹介です。猫たちの撮影は禁止と案内されています。会いに行くときは、勤務や休みの最新情報を確かめ、猫のペースを大切に過ごしたいところ。
OUR PERSPECTIVE
写真を持ち帰ることだけが、旅の成果ではない。ベンチで待っていた時間や、ちらっとこちらを見た顔も残るはず。「撮らない猫旅」という一日があっても、なかなかよさそうです。
出典:福島県観光物産交流協会「ふくしまの旅」/芦ノ牧温泉駅を守る会
公式プロフィール / 確認:2026.10.28
元のページを読む ↗

京都 / 仲間の呼び名
呼ばれたのは、隣の猫でした。
自分の名前だけでなく、一緒に暮らす猫の名前も覚えているのでしょうか。京都大学などの2022年の研究は、名前を聞いたあとに見せる顔写真を変え、猫が画面を見る時間を調べました。
背景とDEFRAGの視点
BACKGROUND
家庭で暮らす猫では、名前と顔が食い違うと写真を長く見る傾向がありました。猫カフェの猫では同じ差は確認されていません。すべての猫が同じように覚える、と広げずに読むのがよさそうです。
OUR PERSPECTIVE
名前を呼ばれた本人は知らん顔。その横の猫だけ耳が動く。そんな光景を想像すると、部屋には人間が思うより多くの聞き手がいそうです。静かな同居人も、案外、会話に参加しているのかもしれません。
出典:京都大学/高木佐保ほか
発表:2022.04.25 / 研究アーカイブ
元のページを読む ↗
世界の猫の話

英国 / 猫が決める遊び
持ってきたから、もう一回。
おもちゃを投げると持ってくる。犬だけの遊びと思いきや、猫にもそんな楽しみ方があるようです。英国の研究は、持ってこい遊びをする猫の飼い主に、その始まり方や遊び方を尋ねました。
背景とDEFRAGの視点
BACKGROUND
2023年、924人の飼い主から1,154匹の猫について集めた調査。もともとその遊びをする猫が対象なので、猫全体の割合を示すものではありません。猫側が遊びを始めたり終えたりする点も紹介されています。
OUR PERSPECTIVE
投げる人が先生で、運ぶ猫が生徒とは限らない。「そちらの仕事、投げる係です」と任命されているのかもしれません。猫が終わりを決めるなら、その最後の一回もちゃんと尊重したい。
出典:Northumbria University/University of Sussex
発表:2023.12 / 飼い主への調査
元のページを読む ↗

北米 / 短いしっぽ
しっぽは短くても、存在感はたっぷり。
ボブキャットの名前は、短い尾に由来すると紹介されています。頬を縁取る毛と、ぎゅっとまとまった体つき。長いしっぽの猫を見慣れた目には、後ろ姿まで違うリズムに見えます。
背景とDEFRAGの視点
BACKGROUND
IUCNの種紹介では、カナダオオヤマネコより小さな足や短い耳の房毛などを解説。森だけでなく、さまざまな環境に暮らす猫です。似た猫どうしを、細部から見比べる入口に。
OUR PERSPECTIVE
短く終わる線は、足りない線ではない。尾がすっと長く伸びる猫とは違う、締まったシルエットがある。横顔の写真を選ぶとき、画面の端にどれだけ余白を置きたくなるかも変わりそうです。
出典:S. Kennerknecht/pumapix/IUCN SSC Cat Specialist Group
公式種紹介 / 確認:2026.10.28
元のページを読む ↗
オーストラリア所蔵 / 黒猫のポスター
黒い一匹が、ポスターを仕切る。
スタンランの《シャ・ノワール》のポスターでは、黒猫の輪郭と赤い文字が大きく目に入ります。細い線を追うより先に、猫がいる、とわかる。NGVの所蔵品ページで、その強い面の使い方を眺めます。
背景とDEFRAGの視点
BACKGROUND
1896年のリトグラフ。パリのキャバレーに関わる広告で、猫はその場所を象徴する存在でもありました。今回見るのは現行イベントの告知ではなく、長く残ったポスターデザインです。
OUR PERSPECTIVE
背景を全部埋めなくても、黒い面が一つあれば画面は締まる。猫の目の小さな色まで生きるのは、その大胆な引き算があるから。遠くから見て、また近づきたくなる一枚です。
出典:Théophile-Alexandre Steinlen/National Gallery of Victoria
作品:1896年 / 所蔵品紹介
元のページを読む ↗

オーストラリア / 図書館と旅する猫
図書館の旅にも、猫の名前。
ニューサウスウェールズ州立図書館の街歩き案内には、船乗り猫トリムの物語も登場します。本と建物の歴史を追っていたら、一匹の猫が横から参加。図書館を少し違う顔で覚えられそうです。
背景とDEFRAGの視点
BACKGROUND
州政府の散歩コース紹介は、図書館のコレクションとシドニーの場所をつなぐ内容。トリムはマシュー・フリンダースの航海に同行した猫として紹介され、子どもの本にもつながっています。
OUR PERSPECTIVE
大きな旅の記録に猫がいると、海図の線の向こうに船上の暮らしが見える。偉業を猫の手柄にするのではなく、一緒に過ごした存在を覚えておく。その小ささが、歴史へのよい入口になります。
出典:State Library of NSW/NSW Government
公式街歩き・コレクション紹介 / 確認:2026.10.28
元のページを読む ↗
猫のいる風景、2つ。
Pinterestで見つけた猫の写真を、公式の埋め込みで紹介します。各画像から元のピンへ進めます。
01 / 猫のいる一瞬
くつろいだ一匹の周囲まで、街の景色として眺めたい。
Pinterestで見る ↗
02 / 光と輪郭
壁のそばで休む一匹。動きの少ない場面ほど、体の置き方が気になります。
Pinterestで見る ↗
今日のおすすめ猫動画
TODAY’S CAT VIDEO / ARCHIVE
何の相談かは、わかりません。
StinaとMossyが、声を交わしているように見える映像。言葉に翻訳するのではなく、鳴く間隔や顔の向きに耳と目を向けてみます。猫の声だけで、部屋に小さな会話のリズムが生まれます。
配信:TheCatsPyjaaaamas / 公開:2007年
The two talking catsをYouTubeで見る ↗
全部の意味がわからなくても、聞いていられる時間がある。猫の声に勝手な台詞をつけすぎず、まずはその間を楽しみたいと思います。



