「通販専門の古着屋」という商売の楽しさと難しさと。

「通販専門の古着屋」という商売の楽しさと難しさと。

 

どうも!

古着屋ODB店長のハナヤンです。

今回は読み物というか雑記。古着屋、特にネット通販専業の古着屋の楽しさや難しさについて感じることを書いてます。

 

暑すぎてぶっ倒れかけた9月買い付け

先日、国内某所に泊りがけで買い付けに行ってきました。定宿がほぼ無料くらいのクーポンくれたんです♪

まだ残暑が厳しい(というかまだ夏ど真ん中やろ…)9月上旬に業者向け古着倉庫を数件ハシゴ。マジで暑すぎて汗かきまくりながらジャケットやスウェットをディグ。

大げさじゃなく、意識がもうろうとしてました。笑

念のために着替えも持って行ってたんですが、足りなくなり倉庫で一枚だけ自分用に服を買いました。

ズボンは最初から履いてるやつだけで予備がなかったんですが、最終的には汗が下まで染みてきてかなり限界でした。(;'∀')

 

古着の買い付けはやっぱり楽しい!いくらしんどくても楽しい!

僕はかつて古着屋で3年ほど働いてました。その時のお店は一般客向けだったんですが、お店は倉庫型。本当に工場をそのままお店にしたところで、夏の暑さと冬の寒さは拷問級でした。

今回の買い付けもまさにその当時を思い出すような蒸し風呂倉庫。なんだか懐かしい思いもしつつ、年齢ゆえの疲労困憊に負けそうになりました。

それでもやっぱり買い付けが楽しすぎて頑張れました!

古着の買い付けって今ではネットでオーダーもできるんですが、やはり大型倉庫に潜り込んでえっちらおっちら掘り起こすのは楽しいもんです。

 

お金の心配はしんどいっすよね、やっぱり

超大量にある古着の中から

「あ、これはあの人に似あいそう!」

「こういうタイプの着こなしにピッタリ!」

と、友達や知人、かつて出会ったお客さんなんかを頭に浮かべながらピックアップします。

で、どんどんピックアップして途中経過で枚数を数える。

そして金額を計算…

 

やば…、こんなに仕入れて一つも売れんかったらどうしよ…

 

と、急激に現実に引き戻されます。

 

弱小古着屋にとっては数万円でも恐怖

当店はまだ本格稼働1年未満のヒヨッコであり、売り上げもまだまだ全然小さいです。だから他店と比べれば仕入れにさける予算もかなり小さいです。

でも、一つの倉庫を回ればやはり数万円単位でお金がいるわけで、余裕のない自分としては怖くなります。

現在はウェブ制作という、長年続けている本業の方から補填しながら回してる状態で、古着屋だけで見れば赤字です。だから毎回買い付けの度に

「売れんかったらどうしょ。お金足りんくなったらどうしょ…」

と不安になります。つまりビビってます。

 

小売り業の怖さ

僕は過去に古着屋以外にも販売員や接客業として働いた経験が何年かあります。

とはいえ、自分のお金を使って仕入れるような経験はほとんどありません。だから小売りの仕入れというものは素人。

ウェブ制作業で独立して12年くらいですが、ウェブ制作は技術料をもらうお仕事です。つまり、自分の知識と技術をお金に換えますので、直接的な仕入れは存在しません。(もちろん、知識を磨くためにたくさん本を読んだり勉強会に参加したりという出費はかなりあります)

学び得た知識や技術をお金に換えるのと、在庫を抱えてお金に換えるのでは恐怖感が全然違います。

制作業にも「仕事がなくなるかも…」とかの恐怖は付きまといますが、小売りはとにかく先行投資がデカいんですよね。

たとえばうちみたいな小さなお店が仕入れに毎月10万円使ってるとします。

そしてその仕入れたものが売れてはじめてお金になる。つまり、必ず先にお金が出ていきます。

この順番は本当に怖いなって感じます。

 

小売業の楽しさ

怖いならすんなよw

って思いますよね。そりゃそうです。でも、やはりそこには魅力があるんです。一番の魅力はやはりお客さんに喜んでもらえることや、お客さんとの出会いです。あとは自分がセレクトしたものが選ばれる喜び。

お店を構えている場合、来店客の中から長い付き合いになる友達が出来たりします。

僕がかつて勤めていた古着屋で、あるお客さんと友達のような関係になりました。退職後もときどき遊んでたんです。

年齢は上の男性だったんですが、なんだか気が合って、気が付いたら僕の結婚式の二次会にも来てくれてて、妻の女友だちと仲良くなり、結婚までしてました。

なんという数奇な運命。笑

脱線しましたが、そういう出会いがあります。

 

古着のオンライン通販の楽しさ

ただ、オンライン通販にはそういう出会いがほとんどないんですよね。そこがちょっと寂しい気もします。

でも、現時点では本業の兼ね合いもありお店を構えるのは難しいんです。

じゃあオンライン通販は面白くないのかっていうと、そんなことはありません。やはり自分のセレクトが売れるのは楽しいし、マーケティング的な要素も楽しい部分です。

そして僕はなぜか梱包作業が楽しいんですよね。

これを言うと通販やってる先輩方とかに

「まじ?変わってるな~」

って言われます。

梱包作業って最初に外注とかしたくなるみたいです。でも僕は箱にピッタリ収まると楽しいんですよね。笑

まあ、これからもっと販売が増えて回らなくなったら外注とかパートさんとか頼むかもしれませんが。

 

自己責任という最大の楽しさ

長くなってきましたが、まだ書きますよ。笑

小売りという商売の仕組み上、資金繰りの心配はあきらかに制作業よりキツイ。

ただそれでもいろんな楽しさがある。

そんな中でも僕がもっとも小売りに魅力を感じるのは

「売れても売れなくても自己責任」

ということ。

制作業もフリーランスでやっているので自己責任の範囲はとても広いです。ただ、あくまでクライアントワークであり、依頼をもとに仕事をします。

いくら自分が頑張ってもクライアントが「ごめん、このプロジェクト中止です」と言われたら終わり。

打ち合わせも多いし、一般的な時間帯はいつでも動ける状態であるべきです。それが嫌ってことではなくて、そういうもんです。

 

時間と場所の自由度が違う

それにくらべ、自分一人の小さなお店、ましてやオンライン通販専業であれば、

【仕入れて売れて期日までに出荷する】

というルールさえ守れればOK。

売れてから出荷の流れを外注・自動化することもできます。つまり、一般的な人が働くべき時間帯に休んだり、長期間の買い付けにいくのもOK。

制作業でも「旅をしながら働こう」とか流行りましたが、ぶっちゃけあれは再現性がない。youtuberとか見てても、自発的なクリエイティブ系で稼ぎ続けるのは難易度が高い。

それより、動画制作業とかのほうが安定します。でも、実際問題旅をしながらとかはむずいですよ。クライアントワークは納期あるから。

クライアントワークではなく、自分でネットショップを作り、売れる仕組みを作る方が楽しいし、再現性も高いように感じてます。

もちろん、通販の方が簡単!とかいう意味ではありません。現にまだ赤字ですし。消えていくネットショップもやまほどあります。

ただ、ここまで書いた通り、ネット通販や小売りには独特な魅力がありますし、仕入れという作業も楽しい!(そして怖い)

 

そんなことを、平日の昼間に地方の倉庫を汗だくで回って仕入れをし、駅に向かって歩いてるときに感じました。

「こうやっていろんな地方、時には海外にも買い付けに回り、売ってそのお金でまた買い付けにまわり続けたい。そんな人生が自分の夢かも。」

と。

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